Quantcast
Channel: 翼の友~プロフェッショナル パイロットを目指して~
Viewing all articles
Browse latest Browse all 399

LCCショック。徐々に表れ始める航空情勢の変化。 ~エアドゥに求められる生き残りをかけた経営戦略~

$
0
0
イメージ 1

------------(以下、記事抜粋)------------
<エア・ドゥ>経営戦略見直しへ 安全管理で不祥事相次ぐ
                         毎日新聞 3月1日(日)17時46分配信

 ◇スカイマーク破綻など、航空業界の地図激変

 1998年の新規参入以来、「北海道の翼」として運航してきたAIRDO(エア・ドゥ)が岐路を迎えている。昨年7月に乗客2000万人を達成したが、安全管理で不祥事が相次ぎ、同年12月には国土交通省から事業改善命令を受けた。今年1月には、積極的に就航を進めてきた地方のうち4路線からの撤退を表明。LCC(格安航空会社)が主要路線に続々と参入する中で競合相手のスカイマークが経営破綻するなど、航空業界の地図が変わってきており、エア・ドゥも今後を見据えた経営戦略の見直しを迫られている。【野原寛史】

【96年設立、02年には民事再生法申請】年表で見るエアドゥの経過
イメージ 2
■地方から撤退

 「手ごろな値段で地方と往復できたので、廃止は残念。北海道の企業なので、乗ることで応援したかったが……」。2月10日の便で福島県から新千歳空港に戻った札幌市南区の男性会社員(40)は、仕事で年数回、福島線を利用している。採算が合わず経営を圧迫しているため、エア・ドゥが3月28日限りで撤退し全日空に引き継ぐ路線だ。

 エア・ドゥは全日空との共同運航を始めた2003年から、道内各地の空港と羽田を結ぶ路線を相次いで就航させてきた。09年からは新千歳と新潟、福島、富山、小松をつなぎ、地方空港の路線拡充に力を入れてきた。だが、この地方4路線は3月で廃止する。背景には、エア・ドゥが「利益で地方路線の赤字を補ってきた」主力路線の新千歳-羽田線での苦戦がある。同社によると、1日11往復の羽田線は近年、全日空と日本航空、スカイマークとの価格競争が激化。昨年4月から今年1月末までの利用率は、前年度の73・6%を下回る72.5%だった。同社は割引プランの改定などで客の呼び込みを図る一方、不採算路線を整理することで経営状態を改善し、安全管理体制の強化につなげる方針だ。

 一方、スカイマークが撤退する仙台線は、3月29日からの新ダイヤで5往復から7往復に増やす。エア・ドゥは「他社の撤退と重なったのは偶然だが、仙台線を採算に見合う路線にしていきたい」と考えている。

 ■LCCとも競合

 近年はLCCが台頭し、新千歳-成田線に2社が参入。羽田線はまだ就航していないが、成田線にも格安料金に引かれた客が流れ始めている。

 札幌市北区の男子大学生(22)は「成田行きは遠回りだが、時間に余裕があるなら安価なLCCの方がいい」と話す。コンサートや就職活動などで上京する際、エア・ドゥから成田行きのLCCに昨年、切り替えた。遠回りになり、欠航時の振り替え便確保も難しくなるリスクはあるが、交通費は約半分程度に抑えられるからだ。エア・ドゥは、LCCの座席数がまだ多くないため「競合相手はあくまで大手」としているが、その大手より安いことで客足を伸ばしてきた強みが薄れていく可能性は少なくない。

 ■安全確保と新戦略を

 エア・ドゥは1月30日、国交省の事業改善命令に対し、常務の降格など関係者を処分し、パイロットの訓練厳格化などの改善策を報告した。15年度上半期中に安全管理体制の再構築を果たす方針だ。また、座席数が多く高燃費な小型の機体も自社で整備できるものに変更し、年10億の整備委託費を削減する計画だ。

 航空業界に詳しい札幌国際大観光学部の河瀬悟郎教授は「航空会社は安心して乗れることが第一。道民が信頼できる安全管理を徹底するためには、まず経営を安定させるべきだ」とし、路線の整理はやむを得ないとみている。また「今後、ビジネスで増えるとみられる女性の利用客をターゲットにするなど、新戦略も求められる」と話す。
-----------(抜粋以上)------------

 日本でLCCの運航が始まったのは約3年前です。「LCC元年」と当時は大きく報道されましたが、就航率の悪さやパイロット不足による運休によって、安定した運航には疑問符がつけられていました。
 しかしながら、Peach Aviationは単年度黒字を達成し、JetStar Japanは100億近い赤字を計上しているものの、23機のフリートを完成させ、関西空港での夜間整備体制を確立するなど、着々と地盤を築いています。

 規模の拡大によって就航率の安定も見込まれることから、既存の航空会社とLCCの顧客の争奪は激しさを増していく事が予想されます。
 現在は、リゾート・観光客の方々がメインに利用しているLCCですが、就航率の安定とともに、ビジネス客、団体客の方々の利用も増えてくることが予想されます。

 そうなった場合、大手のANA、JALも大きな経営戦略の転換を求められることになるかもしれません。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 399

Trending Articles