宮崎駿監督の最新作「風立ちぬ」。観て来ました。
圧巻でした。さすがです。
公開直後に色々(監督の憲法発言などなど)とあったため、若干、期待度は低くなっていたのですが、いい意味で期待を裏切られました。
技術的な部分では「空気感」を強く感じさせる映画です。まるでスクリーンから風が吹いているような錯覚を覚えるような描画は、さすがジブリといった感じです。
ストーリーは芯のある、何かを秘めた雰囲気の堀越二郎技師の少年時代から始まり、青年時代の関東大震災から、96式艦上攻撃機の試験飛行までを描いています。
その中で、震災時に助けた少女と再会し。。。といったラブストーリーあり、特高警察に狙われる部分あり、と波瀾のある展開も盛り込んでいます。
(あまり詳しく書くと、まだ観ていない方に迷惑ですので、このあたりでやめます。)
飛行機の飛行シーンにいたっては、エルロンの操作にともなう翼のゆがみや、風圧にきしむ機体構造まで描写されており、かなり力が入っている作品です。
このシーンは、本当に切なくなりました。
2時間10分と長めの作品とはいえ、かなりの要素を絶妙に盛り込んでいる脚本でした。
96式陸攻の設計者の本庄技師、先輩技術者の黒川技師、上司の服部技師、いずれも実在の人物であり、ゼロ戦や1式陸攻の書籍を読むと、頻繁に登場する方々です。これも、もちろん映画では登場します。
とことん、リアリズムを追及するとともに、理想的(ある意味メルヘン)なストーリーもちりばめる。さすがジブリといった感じです。
これは劇場の大画面で見る価値はあると思います。